学生とIT

「使う側」から抜け出せない大学生へ。現役IT社長が語る「作る側」との残酷な二極化

「使う側」から抜け出せない大学生へ。現役IT社長が語る「作る側」との残酷な二極化

スマホを手放せない就活生の皆さんへ:「使う側」で止まるITスキル、その先を考えてみませんか?

「自分は子どもの頃からスマホに触れているデジタルネイティブ世代だから、ITには強いはずだ」。就職活動を控えた多くの大学生が、心のどこかでそう信じているのかもしれません。しかし、いざ企業の面接やインターンシップに参加し、「では、この業務課題をITツールを使ってどう解決・自動化しますか?」と問われた瞬間、頭が真っ白になってしまう。そんな迷いや葛藤を抱える学生さんに、私はこれまで数えきれないほど出会ってきました。

皆さんが日常的に行っている、SNSでの情報収集、動画サイトの視聴、フリマアプリでの売買。これらは確かに「IT機器を利用している」状態ですが、厳密には提供されたサービスを消費しているだけの「使う側」に過ぎないのではないでしょうか。企業が新卒採用やビジネスの現場で求めているのは、与えられたアプリを器用に操作する能力だけではなく、その裏側にあるロジックを理解し、自らの手で新しい価値や業務効率化の仕組みを生み出せる「作る側」のスキルだと私は感じています。

この「使う側」と「作る側」の間には、皆さんが想像している以上に深く、そして見過ごせない断絶が存在しているように思います。数年後には、小学校から本格的なプログラミング教育を受けてきた「GIGAスクール世代」が社会に出てきます。「自分たちの賞味期限はもう切れてしまうのではないか」という焦燥感を抱くのは当然かもしれません。この記事では、35年にわたりシステム開発とエンジニア育成に携わってきた現役経営者の視点から、このスキルの二極化の現状と、文系理系問わず「作る側」へとステップアップするための具体的な道筋について、一緒に考えていきたいと思います。

デジタルネイティブって本当?:消費的利用と創造的スキル、見えない二極化の現実

まず、社会全体に蔓延している「若い世代はITリテラシーが高い」という前提を、少し疑ってみる必要があるかもしれません。総務省の「情報通信白書」などの公的統計を見ても、若年層のインターネット利用率やスマートフォン普及率はほぼ100%に近い数字を叩き出しています。しかし、経済産業省が警鐘を鳴らす「IT人材需給に関する調査」において不足が指摘されているのは、高度なアルゴリズムを設計し、システムを構築できるクリエイティブな人材ではないでしょうか。

現在の日本の教育環境や社会構造は、極めて洗練された「消費者」を育成することには長けているのかもしれません。ワンタップで欲しいものが届き、スワイプ一つで無限にエンターテインメントが消費できる世界は、技術のブラックボックス化を推し進めました。その結果、「なぜこの画面が表示されるのか」「どういうデータベースの構造になっているのか」といった、裏側の仕組み(アーキテクチャ)に思考を巡らせる機会が、残念ながら失われてしまったように感じます。

この消費的利用への過度な依存が、創造的な開発スキルを持つ一握りのエンジニア層と、圧倒的多数の消費者層という「ITスキルの二極化」を生み出しているのではないでしょうか。プログラミングのコードが書けるかどうかという表面的な問題だけではありません。物事を論理的に分解し、システムとして再構築する「プログラミング的思考」が育っていないことこそが、最も深刻な現状だと私は考えています。

採用現場のエンジニアが思うこと:プログラミング的思考へ、一歩踏み出してみませんか?

35年間、現場でシステムの開発の仕事をし、同時に200名以上のエンジニアを採用・育成してきた技術経営のプロとして、私が出した結論は明確です。「文系だから」「情報系学部ではないから」と諦める必要は全くありません。重要なのは、今日から「消費者の視点」を捨て、「開発者の視点」で世界を観察する習慣をつけてみることではないでしょうか。

プロの教育者ではないので、学術的に正しいアプローチかどうかはわかりませんが、実務の世界で求められるのは「完璧なコードを暗記していること」だけではありません。「この非効率な手作業は、どういうルールを定義すれば自動化できるか?」という問いを立てる力です。これがプログラミング的思考の本質であり、この思考回路さえ持っていれば、具体的なプログラミング言語の構文は後からいくらでも検索して補うことができるはずです。

就職活動において「AI活用能力」が当然のように要求される現代、企業は「AIという魔法の箱をただ使う人」だけを求めているわけではないと私は感じています。「AIの得意・不得意を論理的に理解し、自社の業務プロセスにどう組み込めば価値が出るかを設計(デザイン)できる人」を求めているのではないでしょうか。この視点の転換ができれば、皆さんは確実に「作る側」の領域へと足を踏み入れることができると信じています。

「使う側」から「作る側」へ移行するための具体的なステップとニーズ網羅

では、具体的にどのような行動を起こせば、消費的なIT利用から抜け出すことができるのでしょうか。大学生や若手社会人が抱える「何から始めればいいかわからない」というニーズに応えるため、意識改革と実践のステップを網羅してみました。

最初のステップは「日常のアプリの解剖(リバースエンジニアリング的思考)」です。普段使っているSNSを開いたとき、ただタイムラインを眺めるのではなく、「なぜこの広告が今、自分に表示されたのか?」を考えてみませんか。位置情報、検索履歴、滞在時間などの変数が、どのような条件分岐(IF文)を通って結果を出力しているのか。見えない裏側のロジックを想像し、紙に書き出してみるだけでも、立派な開発スキルの第一歩となるはずです。

次のステップは、「自分の身の回りの小さな不満をITで解決する経験」を積むことです。例えば、サークルの出欠確認をLINEのノートと手作業で集計していて面倒だと感じたら、それをGoogleフォームとスプレッドシートの関数を使って自動化してみる。これも立派な「作る側」のアクションだと思います。大規模なシステムを開発する必要はありません。小さな課題解決の成功体験が、ITリテラシーを爆発的に向上させてくれるのではないでしょうか。

AI時代、「使う側」に留まるとどうなる?:将来への漠然とした不安、その正体とは

もし、このまま「使う側」の快適なぬるま湯に浸かり続けたら、数年後のキャリアはどうなってしまうのでしょうか。最も現実的で見過ごせない問題は、「AIによる職業置換」の波に真っ先に飲み込まれることではないかと思います。既存のホワイトカラー職種の中で、ルール化された事務作業や、単なるデータの転記、マニュアル通りの顧客対応などは、確実に生成AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に代替されていくでしょう。

なぜなら、「与えられたツールをマニュアル通りに使うこと」において、人間は絶対にAIの処理速度と正確性には敵わないからです。ツールを使うだけのスキルしか持たない人材は、企業にとってコストパフォーマンスの悪い存在となり、あっという間に労働市場での価値を失ってしまうかもしれません。「今のスキルでは40代まで生き残れないかもしれない」という若手社会人の予期不安は、決して被害妄想ではなく、冷酷な現実に基づいているのではないでしょうか。

さらに心配なのは、「AIの出力結果を盲信してしまうこと」です。裏側の仕組み(ブラックボックス)を理解しようとしない消費者は、AIがもっともらしい嘘(ハルシネーション)を出力した際、その真偽を論理的に検証するすべを持ちません。結果として、重大なミスを引き起こすリスクを抱え続けることにもなりかねません。

創造的な開発スキルを育てるための現場の実践手順

では、具体的に「作る側」のスキルを育てるためには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。文系学生でも今日から実践できる、小さなシステム開発のステップを紹介します。

手順1:【課題の定義】。まずは自分の生活やアルバイト先で「毎日発生している面倒な手作業」を一つ見つけてみませんか。例えば「毎週のシフト希望をメールで集めて、Excelに手入力している」といった課題です。
手順2:【プロセスの分解】。その作業を「誰が」「いつ」「どういう条件で」「何をするか」という最小単位のプロセスに分解してみましょう。
手順3:【ノーコードツールの選定と実装】。プログラミング言語をゼロから学ぶのではなく、後述するノーコードツール(GASやZapierなど)を使い、分解したプロセスを自動化する設定を行ってみるのです。

重要なのは、この過程で必ずエラー(バグ)に遭遇するということです。「思った通りに動かない」という壁にぶつかり、原因を推論し、ネットで検索して解決策を試し、思い通りに動かす。この一連の「デバッグ作業」の経験こそが、創造的な開発スキルそのものだと私は考えています。完成したシステムの規模の大小は関係ありません。自分の論理で機械を動かしたという手触りを得ることが何よりも大切なのではないでしょうか。

アプリケーションの裏側を知る技術:API連携から学ぶ「作る側」の視点

ここで、消費的なIT利用から抜け出すための重要な技術的概念として「API(Application Programming Interface)」について解説します。「API」という言葉を聞いただけで難しそうだと敬遠しないでください。これが理解できると、世界の見え方が劇的に変わるはずです。

APIとは、簡単に言えば「異なるソフトウェア同士が、機能やデータをやり取りするための窓口(ルール)」です。例えば、皆さんが飲食店の検索アプリを見ているとき、地図が表示されますよね。あれは検索アプリの会社が自前で地図を作っているのではなく、Googleマップなどが公開している「地図データを呼び出すAPI」を利用して、自分のアプリに組み込んでいるのです。

このAPIの概念を理解すると、「世の中の便利なサービスは、既存のパーツ(API)の組み合わせでできている」という事実に気づくのではないでしょうか。「天気のAPI」と「LINEのAPI」を組み合わせれば、「毎朝7時に、雨が降りそうならLINEに通知を送る自分専用Bot」が簡単に作れるのです。ゼロからすべてを作る必要はありません。APIというレゴブロックをどう組み合わせるかというアイデアこそが、現代の「作る側」に求められる技術的アプローチだと私は考えています。

開発のハードルを下げる技術:ノーコード・ローコードによるプログラミング体験

「そうは言っても、やっぱり英語のコードを書くのは無理です」。そんな文系学生の皆さんに朗報となる技術が「ノーコード・ローコード開発」です。近年、IT業界で急速に普及しているこの技術は、開発のハードルを劇的に下げるゲームチェンジャーとなっているように思います。

ノーコードとは、文字通りソースコードを一切書かずに、画面上のパーツをマウスでドラッグ&ドロップするだけで、本格的なWebサイトや業務アプリを作成できる手法です。ローコードは、基本はノーコードで作りつつ、複雑な部分だけ少しコードを書いて補う手法です。代表的なツールとして、Web制作の「STUDIO」、業務アプリ作成の「Kintone」や「Glide」などがあります。

これらのツールの登場により、「プログラミング言語の構文を暗記していること」の価値は相対的に下がったのかもしれません。代わりに、「業務の要件を正確に定義し、ツールの仕様に合わせて論理的に画面やデータベースを設計する能力(システム思考)」の価値が急激に高まっていると感じています。つまり、言語の壁に阻まれて諦めていた人たちにこそ、ノーコードという武器を使って「作る側」へ回る大きなチャンスが到来しているのではないでしょうか。

採用現場で感じた「もどかしさ」と、クムクム開発で拓いた新人育成の道

私自身、IT企業の経営者として毎年多くの大学生の面接を行っていますが、年々「消費的IT利用」の弊害が深刻化していることに、正直なところもどかしさを感じていました。「ITに興味があります!日常的にSNSを駆使して情報収集しています!」と目を輝かせる学生に、「では、そのSNSのアルゴリズムはどういう変数で動いていると推測しますか?」と尋ねると、完全にフリーズしてしまうのです。彼らはデジタルネイティブというより、単なる「器用なデジタルコンシューマー(消費者)」に過ぎないのではないか、と。

このままでは自社でシステムを創り出すエンジニアが育たないと危機感を抱いた私は、新人研修のやり方を根本から変えるという専門的な解決策に打って出ました。画面上だけで完結するプログラミング研修を全廃し、私自身が10年ほどかけて開発に取り組んできた学習用ロボット「クムクム」を新人研修で活用してみたのです。新入社員たちには、「画面の中の数字を変える」のではなく、「自分が書いたコード(論理)で、目の前にある物理的なロボットのモーターを動かし、LEDを光らせ、障害物を避けさせる」という課題を与えました。

効果は劇的でした。画面上なら「なんか動かないからコピペし直そう」で済ませていた新人も、ロボットが机から落ちそうになれば慌ててプログラムの論理破綻(バグ)を探し始めます。物理的なフィードバックを得ることで、「自分の論理が現実世界を制御している」という強烈な当事者意識が芽生えたのではないでしょうか。「ああ、プログラムってこういう仕組みで裏側で動いていたんですね!」と彼らが目を輝かせた瞬間、彼らが「使う側」から「作る側」へと精神的なパラダイムシフトを果たしてくれたことを願っています。プロの教育者としての理論ではなく、泥臭い現場のリカバリー体験ですが、この「物理的なロジックの体感」こそが二極化を打破する鍵だと確信しています。

「使うだけ」のIT利用に感じる違和感:日本の未来のために、今できること

私の採用現場での実体験は、決して局地的な問題だけではないように感じます。日本の教育現場、そして社会全体に蔓延する「便利さを追求しすぎた結果、仕組みを隠蔽してしまう」という構造的な病理への強い違和感に繋がっているのです。

「誰でも簡単にワンタップで使える」ことは、ユーザーフレンドリーである反面、思考停止を招くこともあるのではないでしょうか。海外のハッカー文化やMaker(モノづくり)文化を持つ国々では、幼い頃からPCを分解し、ソフトウェアをハックして自分好みに改造するという「破壊と創造」の土壌があるように思います。しかし日本では、与えられたプラットフォーム(海外製のOSやSNS)の上で、いかにお行儀よく消費するかに終始してしまっている。これが、17番目のタイトルにもある「デジタル敗戦への無力感」の根本原因の一つではないでしょうか。

生成AIの登場により、この傾向はさらに加速する懸念があります。AIが完璧な答えやコードを一瞬で吐き出してくれる時代に、自ら論理を組み立てるプロセスを放棄してしまえば、私たちは一生、海外の巨大テック企業が作った手のひらの上で踊らされるだけの存在になってしまうかもしれません。「取り残されることへの恐怖」を感じている地方学生や若手社会人の皆さんが、今この瞬間に「作る側」への一歩を踏み出さなければ、日本に次世代のIT競争力は育たないという強い危機感を抱いています。

大学生・就活生におすすめしたい開発スキル学習ツールの比較

では、これから「作る側」を目指す学生や若手社会人の皆さんは、どのようなツールを使って学習を始めればよいのでしょうか。目的に応じて最適なアプローチを選択できるよう、代表的な学習手法の比較表を作成してみました。

最初から難易度の高いプログラミング言語(C言語やJavaなど)の環境構築で挫折してしまうのが一番もったいないパターンだと思います。まずは視覚的に結果がわかりやすいものや、ブラウザ上ですぐに動かせるものから始めることを強くお勧めします。

学習ツール・手法 特徴 メリット デメリット 想定対象者
オンライン学習PF
(Progate, ドットインストール等)
ブラウザ上で指示に従いながらコードを書き、基礎構文を学ぶ。 環境構築が不要ですぐ始められる。ゲーム感覚で基礎が身につく。 「文法」は学べるが、ゼロから「システムを設計する力」は育ちにくい。 全くの未経験から、とりあえずコードがどういうものか触ってみたい人。
ノーコードツール
(Glide, Notion等)
コードを書かずに、直感的な操作でアプリやデータベースを作る。 学習コストが低く、短時間で実用的なオリジナルアプリが完成する。 プラットフォームの仕様に依存するため、複雑で高度な独自機能は作れない。 サークルやバイト先の具体的な業務課題を、今すぐITで解決してみたい人。
ロボット・IoT教材
(クムクム, Raspberry Pi等)
プログラムを組んで、物理的なロボットやセンサーを制御する。 ハードウェアとの連携により、デバッグ能力と根本的な論理的思考が鍛えられる。 機材の購入費用がかかる。物理的な配線や組み立ての手間が発生する。 画面上の変化だけでは飽きてしまう人。モノづくりやハード制御の裏側を知りたい人。

ITスキルの二極化に関するよくある質問(FAQ)

面接や企業説明会などで、学生の皆さんからよく寄せられる不安や疑問について、エンジニアの視点から率直にお答えします。

文系学部でプログラミングの授業がありません。「作る側」になるのは無理ですか?

全く無理ではありません。むしろ、人間や社会の課題を読み解く文系的な思考は、システム要件を定義する上で大きな武器になるはずです。ツールの操作は後から学べるので、まずは日常の課題を論理的に分解する癖をつけてみてください。

就職活動の面接で「ITスキル」をアピールするにはどうすればいいですか?

「Excelが使えます」と言うのではなく、「アルバイト先のシフト管理の非効率さに気づき、マクロ(またはGAS)を使って集計作業を自動化し、店長の作業時間を週2時間削減しました」と、自発的に課題解決した経験を具体的に語ってみてください。

GIGAスクール世代が後輩として入ってきたら、スキルで追い抜かれませんか?

ツールを使うだけのスキルであれば追い抜かれる可能性はゼロではないかもしれません。しかし、ビジネスの現場で「何を作るべきか」を定義する課題発見力や対人コミュニケーション能力は、一朝一夕には育たないものです。ITスキルとヒューマンスキルを掛け合わせることで、皆さんの価値はさらに高まるはずです。

プログラミングスクールに通うお金がありません。独学でも大丈夫ですか?

現代はYouTubeや公式ドキュメントなど、無料の優良な情報が溢れています。スクールに通うことよりも、「自分が欲しい小さなツール(例:推しの情報を自動収集するBotなど)」を、調べながら自力で最後まで完成させる経験の方が圧倒的に価値があると私は考えます。

生成AIがコードを書いてくれる時代に、人間が開発スキルを学ぶ意味はありますか?

大いにあります。AIが書いたコードの構造を理解し、セキュリティ上の問題がないか、目的に合致しているかを評価・修正する「ディレクション能力」が人間に求められるからです。基礎的な開発の仕組みを知らない人間は、AIを正しく使いこなせないのではないでしょうか。

誰もがクリエイターになれる未来へ:あなたのアイデアを形にする時代

「使う側」と「作る側」の二極化という厳しい現実を語ってきましたが、未来は決して暗いものではありません。むしろ私は、AIやノーコードといった技術の進化が、過去に類を見ないほど「すべての人をクリエイター(作る側)にする」可能性を秘めていると確信しています。

かつて、システムを作ることは、一部の天才的なオタクや、何年も修行を積んだプログラマーだけの特権だったかもしれません。しかし今は違います。実現したい明確なアイデアと、物事を筋道立てて考える論理的思考力さえあれば、プログラミングの複雑な文法はAIがサポートし、ノーコードツールが形にしてくれる時代です。「技術の民主化」は、すぐそこまで来ているのではないでしょうか。

課題は、技術そのものではなく、皆さんの「マインドセット(心の持ちよう)」だと感じています。「自分は使う側の人間だ」という思い込みを捨て、「自分にも創れるかもしれない」というワクワク感を取り戻すこと。これからのIT業界、そして日本社会を牽引するのは、特定の言語に縛られた職人だけではなく、テクノロジーという絵の具を使って、社会の課題というキャンバスに新しい価値を描き出せるクリエイターたちではないでしょうか。

デジタル難民にならないために:今日から始める「作る側」への第一歩

いかがでしたでしょうか。小・中・高で本格的なプログラミング教育を受け損ね、デジタル移行期の狭間で不条理を感じている大学生・就活生の皆さんの焦燥感は痛いほどよく分かります。しかし、社会や教育制度の遅れを嘆いていても、皆さんのキャリアは守られません。

「使う側」から「作る側」への壁は、決して高く険しい絶壁ではないはずです。それは、ほんの少し視点を変えるだけの、小さな段差に過ぎないのかもしれません。毎日何気なく使っているアプリの裏側を想像すること。面倒な作業を効率化できないか考えてみること。そして、拙くてもいいから実際に手を動かして何かを作ってみること。

今日、この記事を読み終えたら、どうか一つだけアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。ブラウザを開いて「Google Apps Script 初心者」と検索し、自分のGmailを自動送信する簡単なスクリプトを書いてみてください。そのたった数行のコードが思い通りに動いた時の感動が、あなたを「デジタル難民」の恐怖から解放し、創造的な未来へと導く確かな第一歩となることを、心から願っています。

← BLOG一覧に戻る